最悪、言っちゃいけないこと言った、私。
嫉妬なのに。
先輩たちが廃部にしないようにって
頑張ってるのずっと見てきたし、
そこに門脇先輩と美涼先輩が付き合っているとか
そんなこと関係ないじゃん。
私が先輩のこと好きで
でもそれが叶わなくなったからって
部活に行かなくて良いわけないじゃん。
「あっ、すいま――」
思ってもないことを言ってしまったことを
謝ろうと咄嗟に
俯いていた顔を上げたときには
もう先輩の背中は廊下の奥へ消えていった。
無視、されちゃった……。
あぁー、ヤバいなぁ。
涙出てきた。
これじゃ教室に戻れないよ。
私は駆け足で
近くのトイレに入って
声を押し殺して泣いた。
失恋して嫉妬して、
個人的な感情で部活サボって
好きな人怒らせて、
いいとこなしだよ、こんなの。