「そんなことないよっ、

みんなで頑張ろうよ!」


「私は今年初めてで文化祭の展示にどんなものがいいのか、

考えてもわからないんですよ!

先輩たちが協力して引っ張ってくれないと――」


「引っ張ろうと頑張ってるよ!」


文化祭準備で賑わう廊下でも

ひときわ大きな声。


先輩のこんな声初めて聞いた。


そして呆れたように

ため息を吐く先輩。


「このままじゃ廃部になってしまうんだ。

頼むから真剣になってくれよ……」


それを聞いた私は心臓が痛くなった。


……私、真剣じゃなかったですか?

不真面目でしたか?


どうしていいかわからなくて、

傷つきたくなくて

部活に行けなかったことがそんなに悪いことですか?


先輩の言葉が深く突き刺さる。


「私はっ、今年この部に入ったばかりです。

でも先輩たちの一生懸命廃部にしないようって意思を

尊重したいって思ってました。

……でも『引き継いでいかなくちゃ』とか

『廃部になってしまう焦り』とかわからないんですよ!


部活に入ったときからもっと部員をって先輩方は仰ってますけど、

実際新入部員が少なくて廃部の危機になったのは

私の努力とか真剣さ云々ではないじゃないですか!」