「す、すいませーん」


副部長の斉藤俊也―さいとうしゅんや―先輩に

睨まれて背筋を伸ばすと、


「もう、杏莉―あんり―ちゃんってばー」

くすくすと私の向かいに座っていた

超絶美人の松本美涼―まつもとみすず―先輩が

優しく笑う。


この3人で、3年生は全員。


後は、


「もうこのアホ抜きで進めましょうよ」


無愛想に私を一瞥する、

私と残り唯一の1年であり部員の

池田太輝―いけだたいき―。


この5人しか居ない私たち写真部は

実は今年が最後の文化祭になるかもしれないんだった。


この文化祭で3年生は引退。


残りは私と池田の2人で、

この文化祭後に

帰宅部の子か、掛け持ちしてくれる人が入ってくれる、

もしくは来年の春の新入生が3人以上入ってくれる、

じゃないと人数不足によって降格。


ただの同好会になっちゃうんだ。