――結局あの日はあの後
私が写った写真の存在の有無を聞くことは出来なかった。
だって、
先輩私と文化祭で会ったことも覚えてないのに、
私1人覚えてるなんて
みじめだし。。
「おー、小坂ー」
部室に向かう足取りを
低く聞き覚えのある声が止める。
「……池田、どうしたの?」
声の方を振り返ると、
ジャージ姿の池田が居た。
「俺今日はサッカー部のほう出るわ、
悪いな。
部長の本山先輩に来いって言われてさ。
写真部の先輩たちにも伝えといてほしい」
「うん、言っとく。
サッカー部も頑張れ」
私がそう言うと、
ほぼ表情を変えずに
「サンキューな」
と私の頭にぽんと手を乗せ走っていってしまった。
……あの無愛想、本当タチ悪い。
不覚にも一瞬ドキッとした自分が情けない。
彼は何にも気にしないで、
ああいう事したんだって。
今に始まったことじゃない、
落ち着け、落ち着け杏莉ー!!
部室の前まできて、
ドアに手をかけて、深呼吸。
思いっきりドアを開けて
「こんにちはー!!」
すると、びっくりした顔の
門脇先輩が1人。
「あれ、他の皆さんは……?」