――「これから文化祭展示内容についての

部内会議を始めます」


いつもは乱雑に並んでる長い机を

今日は綺麗に並べて、四角に。

部長と副部長を前にして、

総勢5人の写真部、部内会議は始まった。


夏休みが終わって早1週間。

10月に文化祭のあるうちの高校は、

生徒会なんかは大体夏前から、

クラスや発表のある部活は夏休み明けから

一気に準備をするのが毎年らしい。


今年初めてこの高校の文化祭に

企画者側として参加する私は

今から既にわくわくしていた。


「――ってことで、

今年は気合入れていかないとね。

この展示で在校生とか受験生の気持ちをつかめたら

きっと一緒に活動してくれる仲間が増えると思うんだ」


いつもは少し頼りなさげで

部室に来るとカメラばっかりいじってる部長も

この期間はずいぶんやる気みたいだ。


写真部の部長で3年生の、

門脇豊-かどわきゆたか-先輩。


去年の『あの時』一目惚れしてから

私のずっと好きな人。


「おい、小坂-こさか-!聞いてんのかー?」


門脇先輩に見惚れてぼーっとしてると

名前を呼ばれてはっとする。