キーンコーン―――
「じゃ、また明日な。東本」
「か、梶原くん!ば、ばいばい!」
梶原くんに手を振られ、ドキドキしながら手を振りかえす。
笑顔を見せると、梶原くんは教室を出て行った。
「…………」
梶原くん姿が見えなくなるまでじっと見ていると、不意に頭の上に手をおかれた。
「行くぞ、陽莉」
「あ……朔空くん」
朔空くんは私のカバンを持って、教室を出て行こうとする。
「ちょ、朔空くん待ってよ!」
立ち上がって慌てて朔空くんを追いかける。
「もう、朔空くん歩くのはやいよ~……」
朔空くんに追いついて、そう言ったけど朔空くんはなにも言わない。
朔空くんの表情からはなにを考えているのかわからなかった。