俺、梶原新には幼なじみ兼彼女がいる。



「新の部屋はやっぱり落ち着くなぁ~、えへへ」



クラスメイトの東本のアドバイスで告白して付き合うことになったんだが、すっごく無自覚で俺をよく振り回す。



「あ!このゲームしてみたかったやつ!してもいい?」



「うん、いいよ」



里依は嬉しそうに俺のベッドの上でゲームを始める。
俺はベッドの下で漫画を読む。



「うーん……全然クリアできないよ~……」



ゲームを始めて数分で里依が言った。



「はぁ?まだ始めて10分も経ってないじゃん」



「だって~……ね、新やり方教えてよ」



「えー、今忙しいから無理かな」



「忙しいって、漫画読んでるだけでしょ~」



里依は少し不機嫌そうな顔をして、後ろから抱き付いてくる。



「ねぇ~お願いってばぁ……あとでお菓子あげるから!ね!?」



……ったく、無自覚こえぇ。
こんな後ろから抱き付いてきて、昼間っから誘ってるのか?
里依に限ってそれはないだろうけど。
昔からずっと俺に甘えてきてたもんな。