―――次の日。
「陽莉おはよ」
「おはよう!」
いつも通り家を出ると、朔空くんが待っていた。
いつもと変わらない朔空くんに幸せな気持ちになる。
「昨日は玲ちゃんと話せた?」
「あぁ、一応。アイツ、小さい頃に母親亡くして父子家庭でさ。父親が昨日から出張でほとんど家にいられないから、しばらく玲をウチであずかることになった」
「え……?」
それって、同居するってこと……?
「そんな不安そうな顔すんなって」
焦っていると、朔空くんの大きな手が頭に置かれた。
「アイツはただの幼なじみだし、アイツも俺のことなんとも思ってないから大丈夫。な?」
「うん……」
でもやっぱり心配だ。
私ってこんなに嫉妬深かったっけ……?