『じゃ、私今からバイトだから』
「うん、また明日ね」
羅菜との電話を切ると、私はベッドに飾ってあるクマのぬいぐるみを抱きしめた。
「朔空くん……」
朔空くんは“絶対お前から離れたりしない”って言ってくれたもんね。
その言葉を信じよう。
♪~♪~♪~
すると手に持っていたケータイが震えた。
ディスプレイを確認すると、そこには《朔空くん》と表示されていた。
急いでメールの画面を開いて内容を確認する。
《さっきは気つかってくれたんだよな?さんきゅ。一応言っておくけど、ほんとにただの幼なじみだから。安心して。なーんてな!》
「……っ」
朔空くんのメールにホッとして胸が熱くなった。
もしかして私が嫉妬してるってこと、気付いてたのかな……?
だから私が心配しないようにメールを……。
それは考え過ぎかな?
私はギュッとケータイを握りしめた。