プルルル―――
陽莉と付き合ってから数週間が経った朝。
俺は陽莉の家の前で陽莉に電話をかけた。
『はい!おはよう朔空くん!』
「着いた」
『すぐ出るね!』
電話が切れてからすぐ、陽莉が家の中から出てきた。
「おまたせ!」
「行くか」
自然と俺と陽莉は手を繋いで、学校へと向かう。
俺の隣でニコニコしている陽莉に幸せな気持ちになる。
あぁ、俺はようやく好きなヤツを手に入れたんだ。
陽莉が隣にいるってこんなにも幸せなんだ。
すごく嬉しくて思わずにやけそうになる。
必死にこらえていると、陽莉が俺の視線に気が付いた。
「朔空くん、どうしたの?にやけちゃって」
「……は!?べ、別ににやけてなんかねぇし」
陽莉に気づかれるなんて……そんなに顔に出てたか?