土曜日の朝。
私は鏡の前でくるくると回ってみる。
「よし、これで準備完了!」
よしっと気合いを入れて、家を出た。
「いってきまーす!!!」
今日はついに羽山くんとのデート。
きっと最初で最後のデートだ。
羽山くんとは駅の改札に13時に待ち合わせだ。
少し早歩きで道を歩く。
後輩とのデートとはいえ、やっぱり緊張する……!
デートなんてそんな経験ないし、どうしていいのやら……。
うーん……。
「陽莉せんぱーい!!!」
色々考えていると、そんな声が聞こえて顔をあげる。
そこには、無邪気な笑顔で手をぶんぶん振る羽山くんがいた。
私服の羽山くんはなんだか新鮮で、いつもとは違う雰囲気が感じられた。