「そんなの、陽莉にだけだし」



「なによ、他の女の子の前では猫かぶっちゃって……」



「ま、俺はあくまでもみんなの爽やか王子だからな」



陽莉にわざとムカッとさせる言い方をする。



「む、ムカつく~~!」



陽莉は頬を膨らませて、俺の顔を殴ろうと拳を振り上げる。



「きゃあああ!!!」



「うわあ!!!」



俺は瞬時にそれを避けると、からぶった陽莉はバランスを崩して俺に向かって落ちてきた。



「……っ」



目を開くと保健室の天井が見えた。



今、どういう状況だ?
てか体に少し重みが………って。



ひ、陽莉が俺の上に乗っかってる!?



状況を理解した俺はパニックになる。



陽莉の体が……み、密着してる……!!!



「いてて……」



起き上がった陽莉とバッチリ視線が絡み合った。