「あ、ありがと……」



俺と目を合わせずにつぶやくようにお礼を言った。



「……別に。お前のそんな姿、他の男には見せたくねぇだけだし」



好きな女の下着なんて他の男には絶対見せたくねぇ。
俺だけが知っていたい、なんて言ったらヘンタイみたいだけど……。



「もう!そういうのはいいから!」



俺は本気なのに、ほんとコイツは鈍感だ。
いつになったら俺の気持ちに気づくんだよ。



「はいはい。ほら、さっさと保健室行くぞ」



「……うん」



俺が目の前にしゃがむと素直に背中にのった陽莉。



はぁ、ほんと可愛いヤツ。
今すぐにでも抱きしめたい。
でも今は我慢だ。



「しっかりつかまっとけよ」



「へ!?……きゃあああ!!!」



俺は勢いよく保健室に向かって走り出した。



陽莉は落ちないようにと俺の肩をしっかり掴む。
そのせいで、俺の心臓はまたドキドキするんだ。