「な、なんでもない!」
「なんだよ?ちゃんと言えって」
「もう、なんでもないって言ってるでしょ!バーカ!」
陽莉はそう言って水道の水を手ですくって、俺にかけた。
「つめた……っクソ、仕返し!!!」
俺もムキになって陽莉に大量の水を何回もかける。
「冷たい!!!もう!それはやりすぎでしょ!」
びちゃびちゃになった陽莉は頬を膨らませて怒っている。
ちょっとやりすぎたかな……って。
やばいやばいやばい。
やばいことに気が付いてしまった。
「陽莉……体操着……」
「へ……?きゃあぁぁあ!!!」
自分の体操着を見た陽莉は胸の前で腕をクロスさせた。
陽莉の体操着が透けて、下着が見えていたのだ。
「ちょっと……!み、見たでしょ!」
陽莉は恥ずかしそうにこっちを睨む。