授業が始まり、私はボーっと黒板を見つめていた。
さっきの朔空くんと羽山くんの様子、なんだか気になるなぁ。
「……もと。おーい!東本ー?」
「……はっ!梶原くん、ど、どうしたの?」
梶原くんの声で私は我にかえる。
「シャープペン、落ちたよ」
「あ、あぁ!ほんとだ!」
ボーっとしすぎてて、手からシャープペン落ちたの気付かなかった……。
「あはは、ボーっとしてたんだね。どうかしたの?」
「ううん、ちょっと考え事してただけだよ」
「そっか。俺になにかできることあったら言ってね?」
「ありがとう!」
笑顔の梶原くんに微笑み返す。
「そういえば、羽山に聞いたんだけど今度の土曜日の練習試合、見に来るんだって?」
「うん、そうなの!羽山くんに誘ってもらって……」
土曜日、羽山くんに差し入れでも持って行こうかな。
っていっても、飲み物とかタオルとかしか用意できないけど……。