~ 総夜 視点 ~
「俺…
お前のこと…
全然、分かってなかった…
いや、分かろうとしなかった…
信じてるとかカッコつけて…
お前を理解してなかった…」
「………………総夜…」
馬鹿だよな、俺…
本当に馬鹿だ…
彼女のことを分かってやれない彼氏なんて…
嫌に決まってる…
「総夜…
私のこと好き……?」
ユリの言葉に俺は、顔を上げてユリを見た。
ユリは、不安そうな顔で俺を見ていた。
あっ、そっか…
俺は、ユリをこんな状態になるまで…
不安にさせていたのか…
「ユリ。
ちょっと来てくれ。」
「えっ…!?」
俺は、ユリの手を掴んでビルから出た。