~ 総夜 視点 ~


ユリが泣いて飛び出した後…

あの逞ってヤツが睨みながら俺のとこに来た。


「なんで、そんな態度とれんだよっ!

本当にあんたは、あいつを好きなのかよ!」


「…………すみません…

何を言っているか分かりません。」


俺がそう言った瞬間、逞は俺を殴った。


痛ってぇな…

思いっきり殴るんじゃねぇよ


「俺、マジでユリさんが好きなんで…

あんたが、そんな態度するなら…


本気でユリさんをもらいますから…」


逞は、そう言ってユリを追いかけて行った。


『…………大丈夫、ソウくん…』


『酷い…ソウさんの顔を殴るなんて…』


「すみません。顔洗ってきてもいいですか…?」


『あっ、うん…

血が出てるから、ちゃんと洗った方がいいよ。』


「すみません…」


俺は、心配そうに見てくる奴等から離れてトイレに向かった。


「はぁ………」


なんで、あんな態度するんだ…!だって?

ふざけんな!


俺だって、ユリを追いかけてやりたい!


でも…

今の状況でユリを追いかけたら変に思われる。


俺のためじゃない。

ユリのために俺は、あいつを避けたんだ。


逞と噂のあるアイツが…

俺と噂になってみろ…


二股か!?とかマスコミが騒ぐ…


だから、仕事が終わってからユリに連絡でもしようと思ったが…

こうなっちまった…