「あれ?



名前書いてないや…」











どうしよう…




なんとかごまかさないとっ!





私の心臓はドキドキと音をたてる










「ねえ、さくらちゃん


これ書いたのさくらちゃんじゃない?

字がにてる」







優くんは少し頬を赤くしながらうしろに振り返っている







(え"ー!)






「お、女の子の字なんて皆そんなもんだよ」








少し頬の赤い優くんは私の目を見つめたあとまえを向いた




「そ、それもそうだな」








「そうだよ!

びっくりしたー」





(あっぶなかったー)







「優がラブレターをもらったと聞いて!」





一人の優くんの友達が声を優くんにかけた





「学級日誌で筆跡鑑定してやろか?」







(おい!二人目の優くんの友達やめてよ!)












「ばーか





お前ら面白がりすぎ!













こーいうのはおもちゃじゃねーの」






優くんは頬を赤く染めながら言う










(あぁ…



やっぱり優くんすきだよ)







(私が優くんをすきになった



キッカケは去年の春








クラス替早々インフルエンザで一週間



休んだ私は






友達をつくるタイミングを逃してしまった









さみしいけどどう声をかけたらいいかわからなかった




そんなとき…)












「ちっせー弁当!





病み上がりなんだから




もっと食わねーと体力もたねーぞ?


快気祝いにやるよ」





無邪気に笑っていた優くんは

そう言って私にメロンパンをくれた








そのあとも優くんは何かと話しかけてくれていて…






「さくらちゃんピロンやらない?」






「ピロンって?」






…………








「ぎゃ!まけた!」





「さくらちゃんよわー」








「むずかしいよー」









(このことがキッカケで友達もできて














好きにならないはずがない…!












だけど…





優くんは人気者だから














私のことなんてなんとも思ってないもん




ラブレターばれなくてよかったな…





フラれて気まずくなんてなりたくない)








「小テストやるぞー!」



先生の声でくらすはブーイングの嵐






そんな中…









カサッ








回ってきたプリントを手に取る











顔を上げるとそこには私を見てる優くんがいた





(ドクンドクン)





心臓は破裂寸前









「はいどうぞ!」




ニコッとかわいい顔で笑った優くん






「ありがとう」




つられて笑う










(くるーってして!





にこーってしてくれて!















これ以上の幸せない!)






胸がしめつけられるほど





キュンキュンする…







「うわっ!



みぞれだー









傘忘れちゃったよ」




大きくため息をつきながら


マフラーを 首から頭えと巻いていく












「さくらちゃん



うちのばーちゃんと同じ巻き方だよ







マチコ巻きってやつ?」










顔を向けるとそこには










(優くん…!)











「駅まではいってく?」






(ドキンドキン









うわぁ////

う、う、うれしい!)









「い、いいよ大丈夫!」











「そう?」












「うん!




ありがとう!」












(相合傘なんてぜいたくだよー














ってあれ?

冷たくない…)










「ん」








「え…

大丈夫って」











「言っておくけどさくらちゃんのため



っていうより俺のため












明日もしもさくらちゃんが



風邪ひいたらさ






やっぱり傘いれとけばよかった〜


ってなるじゃーん?」










「じゃあ、おじゃましようかな」













「そーしなさいっ」









そういうと優くんはいつものかわいい顔で笑った







(優くんってホント…









優しいな…











そういうところがみんなに

好かれるんだろうな…)










「ありゃ、マチコやめるの?」








「はずかしいもーん」







「そお?

可愛かったよ」







少し顔の赤い優くん…








「さ、さあいこ!」







「う、うん!」









「濡れてない大丈夫?」





(ドキンドキン)














「全然大丈夫だよ」








(ドキン)











「さみーなぁー」








「さむいねぇ」
















(相合傘ちかいよおー







いま私すんごい顔あかいよー)