「ほら、満希。行くわよ」

「えぇ…お母さん、本当に行くの?」

「来年受験生よ?当たり前でしょ」

うぐ…何も言い返せない。


私、高坂満希は現在高校2年生。
来年は大学受験。
私が通っている高校は市内の進学校。
学校の先生にも親にも大学大学って言われて…
確かに大学には進みたい。
けどこんなに早くに勉強しなくても…

高校2年、夏。
私は塾に通わされるのです。


「ほら、満希ついたわよ」

お母さんが車のシートベルトを外す。

目の前には白い建物。
壁に塾の名前が書いてある。

「満希」

気づくとお母さんは塾の入口の前に立っていた。

「あ、待って」

私はお母さんを追いかけた。