「イッテエ」

「ごめんってばホントに」

「お前重すぎなんだよ!!!」

「…こっちは謝ってんのに何その言い方!ホント腹立つ!!」

「元はと言えばお前がバランス崩さなきゃこんなことになんなかったんだぞ!」

「はいはい。怪我人は静かにしてくださーい」

私をかばって下敷きになって怪我したこいつを優しく治療してやってんのに
なんなんだこいつは!!
まぁあたしがバランス崩したのも悪いけど女の子に重いなんて……

「龍くん大丈夫?」

心配そうにするゆら

あたしじゃなくてゆらがあたしの立場だったら嬉しかったかもしれないのにな〜
ごめん!ゆら!

「まぁ龍が自分からいったんだから亜美ちゃんは悪くないよ」

「お前亜美の味方かよ!」

「お前は亜美ちゃんに悪口言いすぎ」

「っち。なんだよ」

こーして今日も過ぎていった

次の日

ゆらが言い出した

「あたし…龍くんに告白する!」

いつかとは思ってたけど……

「そっか!頑張れ!応援してる!」

心のどこかで胸騒ぎがした

今日も海に行って泳いだりビーチバレーしたり楽しかったな〜
楽しい時間はあっという間に過ぎていって夜になった

夜はBBQをすることになった

お皿を準備したりするのはゆら担当
野菜を切ったりするのはあたし
お肉を焼いたりするのは伊藤龍

あとの2人は花火を買いに行った

ゆらがお皿を準備し終えて
伊藤龍のところに駆け寄っていく

「龍くん手伝うことあるかな?」

「女の子は危ないから座ってて」

あたしにはブスとかデブとか言うくせにゆらには女の子扱いをする
もしかして……こいつも……

「お待たせ〜!」

「花火をいろんなとこ売り切れててコンビニ3件行ったんだぜ?」

「お疲れ様ー!こんなにいっぱいある!」

そー言えば花火するのも何年ぶりだろ
特に友達とは滅多にする事がないから
もちろん海も……

「よっしゃぁあ!みんな焼けたぞ!」

「うわあ!美味しそう!」

コップにジュースを注ぎ

「「「「「いっただっきまーす!」」」」」

みんなで食べるBBQはすごい美味しかった
この楽しい時間がずっと続けばいいのに






そんな願いは届かなかった





その日の夜
ゆらが伊藤龍に告白すると言って
部屋に行ってくるね!と笑顔で行ってしまった

これでゆらとあいつが付き合ったら
あたしはいっつも一緒にゆらといれなくなるのかなって思うと怖くなった

そー思ってゆらを待っていると
ゆらが帰ってきた
その顔はりんごのように赤くなっていた
これは………

「付き合うことになった」

その一言であたしの何かが動き始めた