それから1週間後

「もーさ!笑っちゃうよね〜!」

「ほんとあのテレビ面白かったよね!」

「なんの話してんの?」

「うわ!伊藤龍!」

「なんでフルネームなわけ」

こいつは1週間前あたしにブスって言ってきた不良グループのボスの伊藤龍。
金髪でいっつも黒のネックレスをしてるんだよね。大切なものなのかな?

「てかもう関わらないでくださいって何回言ってもわかんないんですか?」

「そんな怒るとブスがもっとブスになるぞブス」

「はぁぁぁああああ!?」

「亜美!そんなに怒らないの!」

「それに比べて内宮は可愛くて礼儀正しくてお前とは大違いだな!」

って鼻で笑われた

私だってこんな顔で生まれたかったわけじゃないのに……
ホントにしつこい!!!

「もう行こう!ゆら!!」

「じゃーな!ブス亜美ちゃん」

あの野郎いつか殺す……

「ねえ亜美?結構伊藤くんってかっこよくない!?」

「え、どした!?いきなり!?」

ゆらは自分から男子のことを
かっこいいって言わないタイプだから
びっくりした

「あいつのどこがかっこいいわけ!?性格もほんと最悪だし女子にブスって言ってくる奴だよ!?」

「でも!根は優しいと思うけどな?」

顔を赤らめて言うゆら
もしかして……恋に落ちた!?
あんな不良が好きだったのゆらって…
ちょっとびっくり

「あのー。ゆらもしかして伊藤龍のこと好きなわけ?」

ゆらは顔がもっと赤くなった
まるでりんごみたいだ

「え、あ、好きってゆーか…いいなぁ?みたいなだけだよ!!!」

必死に顔を隠すゆら
わかりやすいなーゆらって

「んー。そっか!でもゆらが好きって言うなら応援するよ?あんな奴でも」

「え、ホント!?亜美伊藤くんのことすっごい嫌ってるからやめとけって言われるかと思ったよ……」

本当はやめとけって言いたいけど
大好きな心友の初めての好きな人だし…

「応援するに決まってるじゃん!」

「ホント?ありがとう」

照れくさそうにゆらはそー言った

ゆらの様子が変わっていったのは
この頃からだった