そしてお昼になり
いつもだったらゆらと一緒にお弁当食べているんだけど
ゆらは伊藤龍と一緒にお弁当を食べに行って来るとだけ伝え
私は一人になった

そりゃカレカノになれば
そんなものなのか……

そんなことを考えていると

「伊藤さんってもしかして内宮さんに伊藤龍とられたの?」

そー聞かれた

聞いてきたのはクラスメイトの
三吉唯 彼女はゆらの次に可愛いと言われている子だ

「あたしはあいつと付き合ってなんかなかったよ。あの子はずっと前からあいつのこと好きだったんだよ」

そー応えると

「伊藤さんは伊藤龍のこと好きじゃないの?」

そー聞かれて
なんて応えていいかわからなくなった
だって

好きだから

「好きじゃないよ」

そー応えるしか私にはできなかった

だって好きな人は大好きな親友の彼氏だから…

「ええ!なんかちょっと残念!」

え、なにそれ?
普通 あ、そーなんだ とかじゃないの

「あたしらずっと伊藤さんと伊藤龍お似合いだなっておもってたの!伊藤龍も伊藤さんに毎回会いに来てるって思ってたし!」

「そーなんだ……」

「でも伊藤さんいっつも一緒にいた内宮さんとられて悔しくないの?」

悔しいも何も
あたしはゆらをとられたより
今は伊藤龍をとられたって方が大きい

「んー?別に!一人は慣れてるから」

そー笑って見せた

「一人なんてつまんないよ!!あたしらと友達になろうよ!」

そー言ってくれた

あたしはずっと小学校の頃から
ゆらと一緒にいたから
他の友達と話したこともあまりなかった

けど話しかけてくれる子がいるなんて

本当に心から嬉しかった

でもこれがあたしの人生を狂わせていくなんて考えもしなかった