西条くんは私が泣いてるのがバレないように制服のジャケットを私にかぶせてくれた。
おかげで少し安心した

西条くんは人目のつかない
屋上に連れて行ってくれた

私は泣きながら今朝のことを話した
西条くんは私が泣き止むまで何も言わず
ただ側にいて聞いてくれた


「ごめん。少し落ち着いた」

「ならよかった」

「西条くんあの時言ったよね」


"それってさ…恋なんじゃない?"


「私その時やっと自分の気持ちがわかった気がした。でもまだよくわからない。今朝の出来事もどー受け止めていいか。
ゆらの恋バナ聞くだけでも辛かった」

「そっか。やっぱり亜美ちゃんはあいつに恋してんだよ。亜美ちゃんは少しそれに気づくのが遅くてゆらちゃんに先越されちゃったんだよね。辛かったね」

西条くんがそー言った瞬間また
涙が溢れてしまった

私はきっと
西条くんみたいに
大丈夫?辛かったね?
そー言ってくれる人を探していたのかもしれない。
ゆらと伊藤龍が付き合う事になった時も心から喜べなかったことも
全部全部誰かに話したかった
気づいた思いはもー届かなくて
散るしかない恋なのかもしれない

「私気づいたことがあるの。あたしはゆらの目を見て話せないこと」

そーだ。私はいつからだろう
ゆらの目を見て話せなくなったのは
たしかゆらが伊藤龍が好きだと言ってきた時だと思う。

私はその頃からあいつのことが

好きだったのかもしれない