ミーンミーンミーンミーン

「あっつ〜」

「もう少しで夏休みに入るからって気を抜いてるとテストで痛い目にあうぞ!」

この言葉は何回目だろう
先生は毎日のようにこの言葉を言ってる
いい加減飽きた

あ、どーも
私は伊藤亜美。高校1年
志望校に合格して今JK真っ最中
高校生になって初の夏休み
楽しみだなー!

「亜美〜テストどー?」

この子は私の親友の内宮ゆら
小学校からの仲ですっごい頼りになるの

「んー自信ないなぁ」

私の成績はいいとは言えない
簡単に言えば下の下だ

「そーゆーゆらはどーなの?」

「今回簡単そうだしいけるかも!」

「ゆらはいっつも余裕だね〜」

「そー?」

ゆらは不思議そうな顔で言った
ゆらは成績優秀な上容姿端麗。
そんなゆらに比べ私は成績は下の下
どこにでもいそうな普通の顔
たまにゆらに変わりたいって思ったり…

「内宮さん…話があるんだけど」

私達が振り返ると他クラスの男子がいた

あ…もしや告白かな

「え、あ、うん?」

ゆらは気づいてない様子

「あ、ちょっとトイレ行ってくるね!」

気を利かせてトイレに行く嘘をついたのは何回目だろう。いや何十回目?

ゆらはモデル並みにスタイル良くて
顔もすごい整ってる。
その上誰にでも気が使えて優しい
だから告白されるのなんて日常的

そー思うとゆらじゃなくてよかったって思ったりもする

暇だったから廊下をうろちょろしているとゆらが戻ってきた

「あ〜み〜!」

「ゆら〜告白はどーだったの?」

「断ったよー!」

ゆらは告られてもいっつも断ってる
中学の時も学校1かっこいい先輩に告られた時も断ったし…
私だったら付き合うのになーって

そんな話をしていると
男子の集団が固まっていた

嫌だな〜。私こーゆー人達大っ嫌い!

目が合わないように通り過ぎようとした瞬間

「オイッッ!!」

あまりの声の大きさにびっくりして

声の主が誰を呼び止めたのか
周りを見渡す
けどその不良の近くには私達しかいなかった

「そこのお前だよブス!!」

は!?何こいつ!?
いきなりブス呼ばわり!?
常識なさすぎ!!

「は?無視?」

私なんかしたのかな……

「な、なんでしょう?」

自分でもわかるぐらい震えていた
あー!早く逃げたい!!

「お前名前なんてゆーの」

「え、あ、伊藤亜美で、す」

「隣のやつは」

「内宮ゆらです」

「ふーん」

え、ちょ、何!?
それだけで呼び止めたわけ!?
何こいつ!!

「てか、二人とも可愛いね!」

そー赤髪の男子が言った

「ですよね可愛いで、え!?二人ともって私もですか!?」

可愛いなんて男子に初めて言われた
どー反応したらいいの……

「え、あ、うん!二人とも」

「もしかしてお前男子に言われんの初めてなわけ?」

最初に声をかけてきた
ボス的な存在の男子がにやにやした顔で言ってきた

「……わ、悪いですか!?」

「ふーんお前面白いね気に入ったわ」

「き、気に入った!?何言ってるんですか!?」

もしかして子分にされて
殴られたり蹴られたりされるの!?

「も、もう行こうゆら」

「え、あ、うん」

もー最悪!あんな奴らに気に入られたとかホントに人生終わったかも!!

「ねえ亜美。さっきの人達どー思う?」

「さっきのって不良?」

「うん」

「あんなのチャラチャラしてまともな人生歩んでいけないよ!!」

「そ、そー?」

「そーそ!あ、今日帰りパフェ食べに行かない?」

「あ!いいね!行こ行こ!」

それが私と君との出逢いだった