兼『皿洗いしかする事ナィけどね☆勿論、給料は出すよ♪どう??』
空『!!!!!』
恋『兼斗さん、クゥはちょっといろいろあって…ι』
兼『ん??』
恋『会話が出来ないんです。』
一応言っておいた方が良いよね??
本当の事だしι
兼『ふぅん…。別に良いんじゃね??皿洗いだし☆』
け…兼斗…さん??
神『それなら恋歌も大丈夫じゃのぅ…。』
神様まで!?!?
何気に"恋歌"ッて呼んでるし…ι
兼『紅月さんは…どぅ??』
い…いきなりふられても…ι
恋『ク…クゥは…、どぅ??』
コクン。
や…やるんだ…ι
神『じゃが、それよりも、そんな事を簡単に決めちゃっても良かったのか??』
たしかに。
店長じゃないんだから勝手に決めない方が良いよね…??
兼『大丈夫。俺、店長の子供だから。』
ん…??
今、何て…??
恋『う…嘘…ι』
兼『本当だよ♪知らなかった??』
知らないよ…ι
一年以上働いてるのに、今知ったよ…ι
兼『今、人が足りなくて困ってたンだよね☆手伝ってくれると助かる♪』
そう言う事なら大丈夫だ。
恋『やろっか。クゥ!』
コクン。
クゥがバイト(皿洗い)想像出来ない…。
見た目不良ッぼいよねι
ちょっと心配になってきた…。
兼『紅月さん!パフェ二つ追加!』
恋『はいッ!』
あれからバイトの時間になり、
私とクゥはバイトをはじめ、
神様は渋々帰っていった。
恋『兼斗さん!レジお願いします。』
兼『はいよー!』
パフェを作っている時、ふと クゥが気になって、キッチンを覗いてみた。
恋『わ…。』
真面目にやってる…。
兼『見た目不良ッぽく見えたけど全然普通だったね。』
いつの間にか、兼斗さんが私の後ろに居た。
恋『そうですね。心配して損しました(笑)』
そう言った後、パフェを二つもってお客様の席に持っていった。
恋『ふぅ…。』
兼『紅月さん!空夜クンに休憩入って良いッて言ってきてくれる??』
恋『分かりました。』
いいな…。
休憩できて。←
そんな事を思いながらキッチンへ行った。
恋『クゥ??』
ドアを少し開いてクゥを呼んでみたけど、集中しているのか、反応はなかった。
真面目にやってるんだな…。
真面目にやってるんだな…。
トントン。とクゥの肩をつっつくと、びっくりしたように振り返る。
恋『クゥ休憩入って良いって。少し外の空気だけでも吸ってきたら??』
空『……………。』
恋『クゥ??』
いきなり反応が無くなったクゥをずっと見てると、
クゥはエプロンの中に携帯を入れていたのか、携帯を取り出して、
カチカチと操作をして、画面を見せてきた。
―――――――
俺だけ休憩??
―――――――
恋『そうだよ?』
私、まだバイトあるし…ι
カチカチッ…
―――――――
休憩いらない。
―――――――
え…??
恋『疲れちゃうよ??』
カチカチッ…。
―――――
別にいい。
―――――
休憩…してきた方が良いと思うけどな…ι
恋『トイレだけでもしてきたら??』
そう言うと、クゥは、ハァ…。とため息をはきながら、また携帯で文字を打ちはじめた。
――――――
便所出ない。
――――――
恋『そ…そう…ι』
お皿洗いッて肩疲れるし、
すぐ休みたくなるんだけどなぁ…。
一番辛い仕事でもあるし…。
クゥが良いッて言うんなら良いんだけど…。
恋『じゃ、バイト行くね。疲れたら少し休憩しなよ??』
クゥはコクンと頷いて、すぐ仕事をしはじめたので、私も自分の持ち場へ戻った。
兼『言ってきてくれた??』
恋『一応言ってきたんですけどι休憩はいらないッて…ι』
兼『えぇッΣι??』
そりゃ、
驚くよね…ι
今まで皿洗いで 休憩いらない なんて言ったのは、
クゥがはじめてだし…ι
兼『相当、紅月さんと一緒に居たいんだね。』
恋『……へ??』
そりゃ…、"主人"ッて事になってる…から??
実際に"猫"じゃなかったら、
離れたくて仕方ないかもしれないし…。
もし、離れたくて仕方ないなら…
少し…悲しい。
兼『紅月さん??』
恋『あ…私、店の外、掃除してきますね。』
兼『え??ああ…うん。』
"当たり前"じゃないんだよね…。
クゥが私の近くに居るのも、
神様に"まじない"をかけられたからであって。