恋『もう終わったでしょ。帰って。』
頭痛くなってくる…。
話を聞いてるだけで
イライラしてくる。
恋『何突っ立ったままでいるの??帰ってよ。』
優は
全然帰ろうとしない。
優『ふーん。俺にそんな口聞くんだ。』
恋『……??』
バキッ…。
この時から…
地獄が続いた。
毎週毎週…。
決まった時間に来る…。
玄関を開けるまで
近所の迷惑も考えずに怒鳴りまくる。
玄関に出ないと、翌日まで玄関先に居る…。
ストーカーのように。
開ける度に殴られる。
普段見えない所にはもちろん、
見える所にも容赦なく痣をつけていく。
身体だけは守ってきた。
学校にも行かず、
バイト三昧の毎日。
バイト帰りに、同じ学校の生徒達が、噂をしていた。
私と優の…噂。
学校でも、
噂は広まっているようだった。
何処にも居場所はなかった。
あるとしたら、バイト先と自宅。
楽しい時間なんて…無いに等しい。
私は、"黒"だけの世界に居るような感じだった。
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恋『これが私の過去。』
まだ話したい事はたくさんあった。
でも今はこれで精一杯。
恋『引いた??』
不安な訳じゃないけれど、
聞いてみたくなったんだ。
私の過去を聞いて、
どう思ったのか。
フルフル。
クゥは"呪い"のせいで喋れない。
ただ、首を振るだけ。
恋『正直に言っても良いよ??』
"可哀相"とか"大丈夫だよ"とか
同情の言葉なんて欲しくない。
フルフル。
それでもクゥは首を横に振る。
《空夜なら大丈夫じゃ。》
神様の言葉…。
これは、本当だったって…事かな…??
不思議と身体の重みが、
少しだけ。
ほんの少しだけ取れた気がした。
ヴ-ヴ-ヴ-…。
恋『ん…携帯??ッあ…』
am 8:30
あの後すぐに私とクゥは眠りについた。
新着メール 1件
カチッ…
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am 8:31
FLOM xx.xxxx@xx
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神様じゃよ☆携帯と
いう物を持ってみた
がなかなか面白いも
んじゃな♪今日も様
子を見に行くつもり
なのでな(^O^)/空夜
にも伝えておく事を
忘れずにな(;_;))
―――――――――
・・・・・・・・。
神様…ι
何で私が携帯持ってる事を…。
それよりも一体何処でアドレスを!?!?
考えるだけ無駄だなきっと…。
それと、
神様携帯必要ないじゃん。
何で欲しがるの…??
携帯…。
秋菜達と連絡を取りたいが為に必死でバイトして購入した。
今じゃバイト先とバイトの人しかアドレスが入っていない。
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No.5 に"神様"登録
しますか?
―――――――――
Yes
少しだけ、嬉しくなった。
もぞっ…。
恋『Σ!!。あ、おはよクゥ。』
コクン。
クゥはまだ眠たいのか、
目を擦りながら、上半身を起こした。
恋『ご飯、食べよっか!』
コクン…。
恋『あ!そうだ。クゥ!』
朝食を食べ終えて皿を洗っている時に ふと思い出した。
空『???』
恋『私、今日夕方からバイトあるンだけど…。』
空『Σ!!!』
ああ…ほら。
予想通りびっくりしてるよ…。
そりゃそうだよね。
ブンブンッ
クゥは 行くな ッて言ってるのか、首を横にふりつづける。
恋『大丈夫だよクゥ。』
空『????』
恋『今日、神様が来るって。だから寂しくないよ! 』
空『ΣΣ!!ιιι』
恋『朝ね、メールが来た……あぁあッ!!』
ビクッ…。
いきなり大声を出したせいか、
クゥはものすごくびっくりしている様子。
恋『なんで…こんな簡単な事が思いつかなかったんだろう…。』
私…馬鹿だ。
携帯…。
クゥに携帯を買ってあげれば良かったんじゃん。
離れてても、送れるし。
言葉だって分かるじゃん!
後、家に居る時はメモ帳か何かで………。
あああッ…ι
私のばかぁι
恋『クゥ!!』
空『???』
恋『携帯を買いに行こう!』
空『……………ι』
クゥは何故か、ハァ…とため息をついて私を見た。
恋『どうしたの??』
あっ!!
メモ帳!
恋『はいクゥ!コレに今思ってる事書いて。』
キッチンにはいつもメモ帳がある。
玄関や電話の近くにもあるけど…。
クゥに紙とペンを渡したら、すぐに書きはじめた。
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今頃気づいたのか?
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・・・・・。
恋『クゥ…気がついてたの??こう言う方法があるッて事。』
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当たり前じゃんか。
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言ってよ…。クゥ。
言えないんだけどさ。
そんな事を思ってると、クゥがまた何か書きだした。
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俺、携帯持ってるよ
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え…??
ええぇ…??
恋『持ってるの??』
コクン。
クゥは頷いてからまた、ボールペンをはしらせた。