そもそも、この人は本当に魔女なのだろうか。


突然目の前に現れるなんて芸当が普通の人間に出来るとは思えないけど……


それでも、この人が魔女だなんて信じられない。


僕の中で魔女といえば、年寄りで、偏屈で、全身黒で統一していて、三角コーンみたいな帽子をかぶってる。


そんなイメージだ。


だけど目の前に現れた女性は、イメージとはかけ離れているんだ。


まず、すごく若い。


僕と同じくらいに見えるから、二十代前半といったところか。


若い、絶世の美女だ。


そう、すごく美人なのだ。


もしそうでなかったら、『今すぐ出ていけ!』と叫んでたところだ。


茶色い髪には軽くパーマがかかっていて、胸の辺りまで伸びている。


目は少し尖った猫目だ。


唇は薄く、輪郭は卵形。


まさに僕のストライクゾーンど真ん中。