「なんで僕の名前を知ってるわけ?」


僕は怒りを堪えながら聞いた。


「調べてきたんですよぉ。魔法つ界で」


「魔法つ界!?」


魔女が両手を上げて、ぐっと伸びをした。


「うーん、ちゃんと目的地に着くなんて、さすがルナちゃん」


「ルナちゃん?」


「知らないのぉ? あたしの大学のともだちだよー」


いや、知るわけないだろ。


「あたしの名前はアカネ。よろしくね!」


「よろしくって……何を?」


「あたしの就職活動を手伝ってもらいまーす!」


「……」


意味がまったくわからない。