「ただいまっ」 玄関で脱いだ靴もそろえずに、私はいまだソファの上でゴロゴロとしている娘のそばに駆け寄った。 今度は後ろからじゃない。 ちゃんと前に回り、娘のそばにいき、ソファの前に膝をつき、今日子の目を見て名前を呼んだ。 「今日子」 きっと届く。 だって、私の大切な娘なのだから――――。