「…………………」


気まずい空気に包まれる
私たち。


優奈と智は言葉を交わすことなく、
お互いを見つめ続ける。


しばらく経って、智が口を開いた。


「……俺…まだ上野が好きなんだ」


そう言って、智は
私のほうをふり返った。








………え…………








私?








どうしよう……………








「上野…………好きなんだよ、まだ」


智が照れたような顔で
私を真剣にみつめ言う。


隣で悲しそうな驚いたような、
優奈のことなんかお構いなしに。


「えっ…無理だから」


どうしたらいいか分からない私は
智から視線をそらす。


突然の出来事に、
葉月と真琴は目を見合わせる。


そして、そんな私と智を見ながら、
優奈が静かに口を開いた。


「………………いいよ、別に。」