祐希の声だ。


「もーっ遅い!」


「悪ぃ悪ぃ、ちょっと迷っちまってな」


息を切らしながら
私たちに軽く謝る祐希。


後ろにはちゃんと智もいる。


「おっ?椎名!お前似合ってんぞ」


祐希はそう言うと
真琴の髪をくしゃくしゃっとした。


「えっ…本当?」


「おぅ」


真琴は先程の笑顔なんか
くらべものにならない位の
笑顔になった。


そして後ろにいる
私と葉月と優奈にVサインをした。


顔を見合わせニヤニヤする私たち。


   ・・
祐希のそれが軽い気持ちだったのか、
それともまた
違う気持ちだったのかは分からないが、
私たちは真琴の幸せそうな顔を見て、
ただただ嬉しくなった。