クラスごとのバスに別れて乗る。


各クラスの担任が座席表を片手に
生徒の確認をする。


「あーっ早く夜中にならないかなっ♪」


座席をバフンバフンさせ
"ぐふっ"と1人で
顔をにやけさせる真琴。


それを隣で見ている私は
さぞかし気味が悪い。


「ま…真琴…気持ちはよーく分かるけど……ちょっと控えて…」


「そんなんっ無理!!楽しみすぎる!!」


私の遠慮がちなお願いにも全く
応じない真琴。


真琴のハイテンションぶりは
先生の"こぉらぁ!!"という怒鳴り声が
バス全体に響きわたるまで続いた。


…わかる、わかるよ。


もし私が真琴の立場だったら
間違いなく騒いでた。


今日が楽しみで楽しみで
仕方なかったと思う。


真琴の隣でひとり"うんうん"と
うなずく私。


真琴の騒ぎがおさまり
バスはようやく出発、
宿舎へと向かいだした。