「うわぁ〜…すごいね…」


あまりのインパクトに
私たちは口を閉じることを
忘れて博物館に見入った。


入口を通ってすぐのところに
ティラノサウルスらしき恐竜の骨が
私たちを見下ろすように立っていた。


「ちょ!!写真撮って、写真!!」


智がすぐさまその恐竜の前に
駆け寄って、私たちに写真をせがむ。


まるで子供みたいな智。


私と真琴は"バカだ"と思い
くすくす笑った。


「いーよ♪撮ったげる!!」


智の言葉に反応したのは、
優奈だった。


「えっ優奈カメラ持ってきてたの!?」


「うん♪」


「えーっ!?みんな持って来てないよなと思って諦めたのに…。そんじゃああの鹿撮ってもらえば良かったーーっ!!!!」


"ああ〜っ"といった様子で
葉月が肩を落とす。


「言ってくれたら良かったのに〜」


優奈は落ち込む葉月にそう言うと
すぐさま智の元へと駆けていった。


「優奈さ…上手くイキそうじゃない?」


まだ笑い続けていた私に
真琴がコソッと言った。