「おいっお前ら何してた?」


「えっ」


田崎先生の問いかけにも
答える余裕がなく、
目の前の田崎先生に
顔を赤くする葉月。


「お前ら次遅れたら、わかってるんだろーな?」


「すいません…」


わからないけど
とりあえず謝る私たち。


「…もういい。行きなさい」


「ありがとうございますっ♪」


そう言って一番に
顔を上げて言ったのは
祐希だった。


みんな次々に顔を上げる。


葉月は顔を上げて
田崎先生の顔を見つめたまま
動かない。


すると


「おいっ何見てる」


田崎先生が葉月の頭を
くしゃっとした。


ボッ


葉月の顔がヤカンのように
赤くなった。


そんな葉月を見て
不思議そうにする先生。


「はっはいすみませんっ」


慌てて顔を隠すように
皆のもとに走ってゆく葉月。


私たちも葉月の後を追って
皆のもとへと走った。