ホントに彼女を作らないのなら
仕方がないけれど、
やってみなければ
分からない事だって
あるかもしれない。


告白することによって
分かることも
あるかもしれない。


「告白するだけしてみれば〜?2人共」


恋愛に全く興味を持たない
優奈が軽々しく言った。


「優奈、あんた恋しろよ〜」


真琴が呆れたように言った。


すると優奈は
辺りをキョロキョロ
見回して言った。


「だって、そう思えるやつがいないんだもん」


優奈は子供っぽい顔のわりには
大人な人が好きで、
同級生じゃ
そう思えるやつが
とてもじゃないけど
いないという。


「別に同級生じゃなくてもいんじゃない?葉月みたいに先生でも」


私がそう言った途端
真横の葉月が
お茶を吹き出した。


「あ〜、そういえば葉月、先生好きって言ってたよね」


「言ってた言ってた!」


さっきまでおかずを口に運ぶため
高速に動いていた葉月の右手が、
急にスピードを落とし始めた。