ないでしょ…
お宝なんて…


ガバッ


「きゃあ」


「えへへ〜♪なに?そのお寺」


後ろからいきなり
抱きついてきたのは、
葉月だった。


「なんか調べてたら出てきた」


「ふぅん」


私の背中に抱きついたまま
"ほぉ〜"と言う葉月。


「『お宝』だって!楽しそ〜♪」


葉月…あんたはお宝を
信じているのね…。


パソコンの画面に映るお寺を
見つめている葉月を、横目で
見る私。


すると急に葉月は両手をたたき
ひらめいたような顔をして言った。


「ここ行こう!泊まる日の真夜中ぬけ出して!!」


「はあ?!」


「ぬけ出せるよ♪真夜中だから!!」