「は!?智にキスされた!?」


「うん…」


屋上から戻ってきた私は
さっそく葉月に報告した。


葉月は目と口を大きく開けたまま
固まっている。


葉月の隣の真琴も少し
驚いている。


「それって諦めてない…んじゃん!?」


葉月が目は大きく開けたまま
口だけをゆっくり動かし言った。


「えっ?!」


私は声を張り上げた。


まったくあの人らは何の話を
しているんだ、と、教室にいる
生徒が私たちを見る。


諦めてくれてない!?


そ、そんなの困るよ!!


私は先輩が…


「『俺は諦めないから』てゆう意味だって!それ」


葉月の言葉に考えさせられてた
私に、真琴が身を乗り出して
言った。


「でも、由香はちゃんと『他に好きな人がいる』って言ったんだよね!?」


「う…うん」


言う前から…
もう分かってたってカンジ…