屋上の真ん中で
向かい合わせになった
私と智の間には、しぃんとした
空気が流れ込む。


私はゆっくりと口を開いた。


「智…」


「うん」


「私…智とは付き合えない」


「…」


「智の事は…キライじゃないよ、でも…付き合えないの…」


「…他に好きな人がいるの?」


「…うん」


「……」


「ごめんね…ごめっ…」


目から涙が溢れる。


…止まらない、涙…。


「…こっちこそ、ごめん…」


「え…?」


ギュウ…


智が私を強く抱きしめた。


その腕からは…
悲しい気持ちが伝わってきた。


「由香の気持ちも考えないで…告白してごめん」


「…智」


智の目からも涙が1、2滴
こぼれ落ちた…。