「…やっぱり断るよね」


葉月がしんみりした雰囲気で
言った。


「うん…」


私は悲しそうに笑った。


智…ごめんね。


私は先輩が好きなの。


智じゃなくて先輩が…。


「まあまず授業終わってから考えよ」


「だね」


私と葉月と真琴は教室に戻った。


教室のドアをあけると
「遅刻だぞ!」と教科書片手に
先生が怒鳴った。


「はぁい」と分かったのか
分かってないのか分からない
返事をして席に着く。


優奈は何もなかったかのように
授業に集中していた。


葉月が机の中から教科書と
ノートを取り出した。


私たちも机の中から教科書と
ノートを取り出す。


そこからは授業に集中し
優奈や智のことは考えてなかった。