「葉月は特に嫌いみたい」


優奈がコソっと言った。


そして、私たちは再び
お弁当を
夢中になって食べ始めた。


「あっ」


箸を落としてしまった私に、
みんなが注目した。


「大丈夫?」


「あはは大丈夫」


心配する真琴に
笑いかけながら、
私は
箸を取ろうとしゃがんだ。


その時


「おーい祐希、忘れもん」


この声…この声は…

私はうつむいていた顔をあげた。


そこにはやはり…港先輩がいた。


「おっまえ忘れもん多いんだから」


先輩は祐希に笑いながら
体操服のズボンを手渡した。


「ありがとうございます」


祐希もつられて少し笑った。


「じゃあな」


先輩は教室のドアのところで
待っていた仲間の先輩と共に
自分たちの教室へと
戻っていった。


どういう関係…?


私は体操服を片手に
先輩を見送る祐希を見ていた。