「な…なに?」


智の声の大きさで
一瞬ビクっとした私。


葉月も不思議そうに智を見る。


智は廊下…いや学校全体に
響くくらいの声で叫んだ。


「上野が…由香が好きだ!!」




………………




…………え?




い、いま何て…?




「由香のことが、好きなんだよ!!」




うそ…。




私の隣で口を開けたまま
固まる葉月。


シーンと静まる廊下。


生徒たちの視線。


自分の心臓の音しか聞こえない。


…なんて答えればいいんだろう…。


こんな、みんなの視線が
集まる中で…。


ど、どうしよう…。


頭の中が混乱する。