それから
1限目が終わっても
2限目が終わっても
3限目が終わっても
私が葉月と話すことはなかった。


授業中でも感じる、葉月の視線。


じっと私を、見ている。


私は木の椅子でのことを
思い出す。


…あの時、私は返事が出来なかった。


それはなぜだろうか。


私は今でも先輩が
好きなんだろうか。


彼女がいるって知る前ほど
好きなんだろうか。


私は彼女がいたから
好きじゃなくなるのか。


私のことを気になど
していなかった先輩が
好きじゃなくなるのか。


なにに対してどうなるのか。


私は授業中も向けられる
葉月の視線を浴びずには
いられなかった。