ハタハタと舞う蝶々を
見つめる私を、
真面目な顔でじっと見る葉月。


「ど…どうしたの…?」


絶えない視線を
向け続ける葉月に
少し不安を感じながら聞く私。


葉月は、言った。


「諦めるしかないなんて…誰が決めたの?」


「…え」


ドクン


葉月の言葉で頭が真っ白になる。


周りは時間が止まったように
音一つ聞こえない。


聞こえるのは、
私の心臓の音だけ。


黙って返事を待つ葉月…。


「…っ教室もどろ」


そう言い駆け足で
教室に向かう私の後を
葉月は視線を
私に向けたままついてゆく。