「えっ彼氏いたの!?」


「うん…」


パーティーの次の日の金曜日。


私は葉月に
あの木の椅子に座わせ
私がみた
港先輩の彼女のことを話した。


『港先輩に彼女がいる』という
情報は
葉月の耳には入っていなかった。


情報通な葉月が
知らなかったなんて珍しい。


青空を分ける飛行機雲を
みつめる葉月。


そして言った。


「どうするの?」


「えっ」


「諦めるのか!諦めないのか!」


ドクン


「な…なに言ってんの諦めるしかないじゃん!」


私は
葉月の肩をドンッと叩いた。


そして無理して笑う。


…諦めるしかないじゃん。


自分より綺麗な人と闘ったって
勝ち目なんかない…