戻ると、教室には
誰もいなかった。


私と葉月は
次の授業は何だったか
記憶をたどる。


そして2人同時に叫んだ。


「「理科だ!」」


私と葉月は教材の用意をして
理科室へと脚を走らせた。


「理科は実験だったもんね」


「すっかり忘れてた…」


そんな特に意味のない言葉を
交わしながら、
私と葉月は急いだ。


理科室では、すでに
実験が行われていた。


遅刻だぞ!

という先生の怒鳴り声に
耳を傾けるはずもなく、
友達がいる
班のところへ走った。


「どこ行ってたのさ〜、一緒に行こうと思ってたのに」


と呆れたような顔で
話しかけてくる彼女は、
小学校の時からの親友、
真琴だった。


彼女は小学校の時から
他人にはない何かを持っていて、
友達が多いのも
そのおかげだと思われる。


大きな瞳、
高い声の持ち主だった。


「ごめんごめん〜」


葉月はそう言いながら
真琴の隣に座った。


葉月と真琴はたまたま
同じ部活に入部しており、
私が葉月に真琴を紹介した時も、
お互いが
どこかでみたような顔だと
おもったという。


同じ部活というのが
2人の共通点となり、
紹介してから仲良くなるのに
そう時間はかからなかった。


葉月が私の友達と
仲がいいように、私も
葉月の友達、優奈と仲がいい。


私と優奈は
共通点が1つもないが
気が合う。
といのは珍しいことでもない。


「てゆーかさ、明日4人で遊ばない?」


葉月が急に机にひじをついて言った。


「明日予定あるかも〜」


真琴が理科室に
持ってきていたカバンから
スケジュール帳を取り出し、
ページをパラパラ
めくりながらぼやいた。


「うちはいけるっ!」


優奈は私たちの前に
Vサインを突き出した。


私は予定が空いていたので
遊ぶ事にした。
真琴も予定がなかったらしく、
遊ぶ事になった。


こうして私たち4人は明日、
遊ぶ事になった。