「ほんと…だよ」


「はっ話しかけたの?!」


「うん…」


「そしたら何て!?」


「『葉月か…大きくなったな』て…」


葉月はその場で泣き崩れた。


今までずっと会いたかった
お父さんに会えたんだもん。


嬉しいに決まってる。


泣いてる葉月を見て
私たちまで泣いてしまった。


これを『もらい泣き』と
いうのだろう。


店員や客が集まってきているのも
気にせずに、私たちは
大声でわんわん泣いた。


そんな時


「おいおい真琴ぢゃん!なに泣いてんだよ」


「ふぇ…?」


泣いてぐしょぐしょの顔のまま
真琴は声のする方へと向いた。


「おっまえすげー顔だぞ」


ケラケラ笑うその男子の名は…


「智!!」


真琴が叫んだ。