「よし、まだ昼休憩あるから、庭で水遊びしよ!」


「いいね!いこいこー!!」


私たち4人は手をつないで
笑いながら中庭まで向かった。


葉月は、先生に恋している。

真琴は、祐希に恋している。

優奈は、まだしてないけど、
いずれする時がくると思う。


そして、私は先輩に恋している。


みんなそれぞれ恋している。


水しぶきを浴びながら
キャーキャー騒ぐ私たち。


"冷たいなぁっ"ホースまで
振り回して、服はびしょ濡れ。


濡れた服をあっという間に
乾かす、雲1つない青空と、
目が潰れそうなくらいの
眩しい太陽。


仲間の絆が少しだけ深まった
今の私たちには、
もってこいの
シチュエーションだ。


水遊びも後半になった頃、
昼休憩の終わりを告げる
チャイムがなった。


「あーあ、終わっちゃった」


チャイムと同時にホースの水を
止める葉月。


「やだー、濡らしすぎたぁ〜…!」


自分の服がびしょ濡れなことに
今更気付く優奈。


「とりあえず教室戻ろっ」


真琴の言葉で
とりあえず教室に
戻ってみたものの、
次の授業である社会の先生が
入れてくれるはずもなく、
私たち4人は
廊下に正座させられた。


「いれてくれたって…ねえ」


「ケチケチすんなよなっ」


正座しながら愚痴をこぼす
葉月と私。


いつまで
正座してればいいのか、
私たちは授業がしたい訳では
なかったが、
教室に入りたかった。