突然の優奈の大声に、
私だけでなく、周りにいた誰もが
優奈を見た。


「……ど…どうしたのいきなり」


「だって…岡野って…あの岡野さんでしょ?」


少し言いたくなさそうな様子で
私にコソッと言った優奈。


・・
あの?

あのって何?

       ・・
「な…何なの?あのって…」


気になって仕方ない私に、
優奈はひときわ声を小さくして
私の耳元で言った。


「私前さ、あの人が風俗店で働いてるの見たよ。名前は『いちご』だったけど…。ぜったい岡野さんだったよ!!」


…え?


「…なに言ってんの優奈?そんなわけないじゃん!!あははっおっかしーっ!!」


「ホントなんだって!!」


優奈の話をまるで信じない私に、
少しマジになって言う優奈。