「…行っちゃったね…」


「…だな…俺らも行くか☆」


気を取り直して、
宝探しに挑むことにした。


……にしても…


宝なんて、具体的には
どんなところにあるものなんだろう…


よくこーゆー場所には
『カラクリ』が仕掛けてあるなんて
ゆーけど…なさそうだし…


葉月たちはこの辺を
30分も探し回ったんだよね…?


「ここには無いのかなぁ……」


私がぽつりとそんな事を
つぶやいた時




ギギギギッ




………………


………………え?


何?……今の音。


「……ね、ねぇ、智…」


「ん〜?」


「…な…なんか変な音しなかった…?」


「は?変な音?何だよそれっ…あっ!おい!ここら辺ありそうじゃねーか!?」


恐怖で身が縮まりそうな私をよそに、
宝探しに夢中になる智。


ギギギギッ


ギギギギギッ


かすかだが、音がだんだん
近づいてくるのが分かった。


「ねぇ……智ぉ〜っ」




ギギギギッ




ギギギギギッ




ギギギギギギギギギッ




「………………え……」