な…なんだろう
急に謝って………


あっ…もしかして
ペア決めのことかな?


「あっ…別に大丈夫だよ!ってゆーか…こうなったのは智のせいじゃないし!!」


「そうじゃなくて…ペア決めのことじゃなくて…」


「…え?」


「さっき…みんなの前でお前が好きだ…って言ったことだよ」


「……あ…」


そっちか……。


うつむき、
両手をズボンのポケットに突っ込んで、
足元の小石を軽く蹴りながら、
照れくさそうに、
申し訳なさそうに智が言った。


「お前には…もう前にフられてんのに…しつこいよな俺…。」

「…………」


私はどんな顔をしたらよいのか
分からなかった。


「……それから…前、キスしたの……あれも謝らないとな、ごめん………」


「………………」


風が怪しく吹く。

その風になびいて、
まわりの草木も
怪しくざわざわと音をたてる。


智はしばらくすると、
顔を上げて私を見た。




ドキ……




智は…
智だとは思えない程、
真面目な顔をしていた。